Q
小学生の頃にひどいイジメに遭い、
それ以来人間不信、人間嫌いの状態です。
そのまま成人し結婚や出産も経験しましたがふとした時に小さな頃から現在に至るまでの自分にとって嫌な事を思い出しては鏡やガラスを割ってしまったり箸が持てないほど手が震えてしまったり動いてもいないのに動悸がしたりします。
仕事をしたいと思っても人間関係を思うと動けず、家事もやらなければどうなるかというのを毎回考えてからでないと動けません。
最近になって、以前なら気にも留めなかったような些細な事でも文句を言う自分に気が付き、どこか精神的におかしいのではと思うようになりました。
しかし自分がただ単に甘えてるだけの気もしますし歳のせいで小うるさくなってきたのかとも思い受診すべきかどうか悩んでおります。
ご指導の程宜しくお願いします。
A
ご回答が遅くなり申し訳ありません。
幼少期に受けたいじめ体験により、人間不信に陥っているが、それを乗り越え現在に至っている、しかし最近になり情緒の不安定さや自律神経失調症状(動悸、震えなど)が気になり、日常生活に支障が生じ始めている、との理解でおおむねよろしいでしょうか?
上記の理解を前提に考えますと、miy様が心配されていると思われる、幼少期の体験が原因で、今の症状が生じているという考え方は、現時点ではあまりなさらなくてもよろしいのではないでしょうか。
いじめ体験を引きずりながらも、立派に成人され、結婚、出産、育児などを、しっかりとこなして来ているからです。それはmiy様がいじめというひどい体験をされながらも、それを乗り越えるだけの精神的健康さをお持ちであったという証でもあると思うのです。
では現在生じているという不調感を、どのように考えれば良いかという点ですが、一つ疑われるのはmiy様のご年齢から女性ホルモンバランスが崩れ始めてきている可能性、いわゆる更年期障害です。
更年期障害とは、卵巣機能の低下によるエストロゲン欠乏、特にエストラジオールの欠乏に基づくホルモンバランスの崩れにより起こる症候群です。
一般に閉経後に生じるものと考えがちですから、まだ早いと思われるかもしれませんが、残念ながら早期に始まる若年性更年期障害というのも実際には少なくないようです。
早い方では20代で診断される場合もあるようです。
何らかの要因により、卵巣機能が低下してくれば誰にでも起こり得る症状です。
ご質問の表題にもありますが、受診すべきか否かを迷っていらっしゃるのであれば、まずは婦人科にて女性ホルモン値の検査をしてみてはいかがでしょう。
メンタルクリニックは未だ敷居が高いでしょうが、婦人科であれば少しハードルが低くなるのではないでしょうか。
ご自身の精神面が弱いから具合が悪いに違いない、という思い込みは、かえって症状を悪化させる要因にもなりかねません。先に身体的な要因があるかもしれないと考えれば、ご自身を無用に責めてしまうことも避けられると思います。「昔の体験が原因で不調」になっているのではなく、「不調であるから昔の体験が想起」されやすくなっているのではないかという逆転の発想をしてみてはいかがですか。
最終的に受診するか否かは、miy様ご自身が決めるしかありません。
その上で私の意見としては、現在の症状が自制内であるのならば受診は不要ですが、日常生活をかなり障害されているようでしたら、一度受診してみてはいかがかと考えます。
その際には、まずは敷居の低い婦人科にて身体的側面からの検査をしてもらい、そちらに異常があればその治療をする、身体面での異常はなさそうであれば、その時初めて心療内科的な対応をしてみる、という順番にしてみてはいかがでしょう。
いずれにしろ、つらい体験から身に着けてしまった人間不信という性癖は、そんなには簡単に修正できませんし、過去に戻って出来事を無かったことにすることも出来ません。しかしmiy様はそのつらい体験をしっかり乗り越え、立派な社会人として成長なさっているのです。その点にはもっと自信を持って頂いて良いと思います。現在の症状とは分けて考えてみることをお勧めします。
以上、ご質問趣旨に沿っているかどうかは心配なところではありますが、ご参考頂けるようであれば幸いです。