・過敏性腸症候群のような下痢(時間に追われると始まる)
・不安感(ザワザワする)
・友からのメールを返事出来ない
・幼馴染とも会わない
・大好きだったスポーツをしない
・姑に関わる話題で切れる
・物事の判断をすることを嫌うようになってきた
・自分は絶対に鬱にはならないと言い切る
・家事は問題なくこなしている
・普通にしているが落ちるときもある
・下痢があるから仕事も始められないし面倒
・最近、新地での友達作りに努力している様子
など
3年前に15年子育てをした地を離れ、姑・妻・子で新居に引越しをしました。2年前に単身が解かれ、家族で同居しております。結婚当時に言いつけられた姑からの言葉を引きずっており、同居してからは不満を言わなくなった姑に未だ怯えております。姑との同居、母ネットワークを培った地を離れたことが精神的ダメージとなっております。治療に連れて行く場合の切り出し方もアドバイス下さい。
ご記載の内容からは、ご年齢、発症時期、症状の程度、既往歴などが不明なため、得られた情報の中での一般的なご回答になります由、ご了承ください。
ご記載の症状からは、確かにご心配される通り、
・うつ病・気分変調症などの気分障害
・適応障害(置かれている状況に上手く適応できず不調感が生じる状態)
・不安障害
などが鑑別には挙げられると思います。
また心因ストレスにより出現する消化器症状は、過敏性腸症候群も鑑別の一つとしてあげられるとも思います。
ただ、家事は問題なくこなせていたり、ご自身で環境に馴染もうとしている対処行動がみられたりということから、少なくともご本人に受診の動機が生じてない現時点で、無理やりに精神科受診を勧めていくのはご本人の改善努力を踏みにじってしまうことになりかねず、デメリットの方が大きいかもしれません。
本人が受診希望していない時、ご家族や友人がメンタルクリニック受診を勧めるにあたって、残念ながら魔法の対応方法はありません。
基本的には、ご本人に治療の必要性が生じるまで、気長にご説明してゆくほかないと思います。
精神科病院であれば、ご本人に病識がなく治療の必要性があるにも関わらず判断力の低下から同意が得られない時には、精神保健福祉法に基づいて強制的に入院治療を行うこともありますが、それは外来治療においては行うことは出来ません。
一つのやり方としては、ご本人が下痢症状に対しては不快感と生活に支障を来たしているとの認識があるようですので、そこの部分を取り上げて、まずは内科を受診、検査をしてみるというやり方は有効かもしれません。
人は誰でも、他の人からメンタル不調ではないかと指摘される事に抵抗を示しますが、身体症状への心配というアプローチには、意外と好意的に受け止めてくれるようです。
また慢性的に持続する下痢性腸障害が、器質的疾患から生じている可能性も否定できませんし、もし奥様が専業主婦であるなら定期健診を受ける機会も少ないと思いますので、受診を勧めるにあたってのハードルは低くなるのではないでしょうか。
そこで内科的に問題がないようでしたらば、内科医からご本人へ専門科受診を勧めてもらえる可能性も高いと思います。
金魚さんのご質問内容からは、確かに姑さんとの関係、転居への思い、母子関係、ライフサイクル上の位置、そしてご主人自身との関係、など当科的には確認する必要を感じる因子も多い印象ではありますが、それらはご本人の受診動機無しに聞き取ることが困難なのも事実です。
まずは身体症状に対する心配を伝え、内科受診から始めてみてはいかがでしょうか?
以上、ご質問趣旨に沿っているか否かは心配なところではありますが、ご参考頂けるようであれば幸いです。